長く茶道に携わらせていただいている中で
一番手に取るのが多いのは
なんといっても
ふくさ
でしょう。
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新しいふくさを買うたび
今度こそきれいに折ってふくさばさみにしまおう!
と思うのですが
いくら角と角をきっちり折って
たたんだつもりでも
次のお稽古のときはなんだかずれてしまう
こんな経験は皆様もあるのではないでしょうか?
ご存じの方も多いかもしれませんが
ふくさは正方形ではないんです。
一寸が30,303mmとして
ふくさの縦は9寸あまり、
横は8寸8分
のものが多いそうです。
ではなぜこの数字になったのか。
一説によりますと
1から9までの奇数で一番大きい数字は9。
奇数は陰陽説では陽と言われています。
一方偶数は陰で、大きい数字は8。
9に近いところで8,8をとり
陰と陽を合わせることで
茶道のめざすところの
中庸をとる。
そして縦と横がぴったり同じ長さではないところにこそ
日本文化の不完全な美がある。
そんな説明を受けると妙に納得してしまいます。
この話を知った後
ふくさはもはや単なる赤い絹の布ではなく
その中に宇宙をも抱え込んでいるのではないか
(ちょっとおおげさですが💦)
と思うようになりました。
これからも心を込めて
ふくさをさばくことにいたしましょう。